• Instagram
  • facebook
  • MAIL

岩木みさきオフィシャルブログ

【岡山県・真庭市】Maniwa HACCO Tourism (まにわ発酵’s ツアー)⑤御前酒蔵元辻本店

2019. 05. 22

【岡山県・真庭市】Maniwa HACCO Tourism (まにわ発酵’s ツアー)⑤御前酒蔵元辻本店

 

御前酒蔵元辻本店

 

 

 

勝山地区ののれんのかかる町並みを進むと、太鼓山を背に
創業は1804年(文化元年)、江戸時代後期から200年以上続く老舗の酒蔵「御前酒蔵元辻本店」があります。

当時、美作勝山藩主の三浦家御用達の献上酒として銘を受けたことが、今の代表銘柄「御前酒」の由来となっています。

 

 

  

 

赤色の瓦となまこ壁は勝山地域の特徴で、近代和風建築の特徴と歴史的景観に寄与している点を評価され
2013年11月「登録有形文化財」に登録されました。

 

 

 

 

本店の隣にある衣裳蔵は、竜や虎が彫刻で描かれた鏝絵(こてえ)が印象的です。

 

 

 

 

七代目の辻総一郎(つじ そういちろう)さんにご案内いただきました。

 

御前酒蔵元辻本店では、水は旭川の伏流水である軟水、米は主に雄町米を酒米として使用しています。
雄町米は岡山県産の原種で、原種のお米には写真右のようなピンッと出た「のぎ」があるのが特徴です。
岡山県は砂状の土地で水はけがよく日照時間が長いことから、雄町米の栽培に適しています。
通常の稲よりも長く、全長160~170cmにもなります。

 

旭川は備中川の一部なので1軒目に伺った落酒造場と同じ川の水を使用していることになるのですが、
場所が異なると軟水・硬水と水質が変わるというのは、とても珍しいこと。

 

酒蔵としての飲み比べ、銘柄での飲み比べ以外にも、
使用する酒米、水の違いで飲み比べが出来るのも、真庭の魅力のひとつです。

 

 

 

 

納豆も発酵食品としてはとても栄養価が高くオススメではありますが、
菌が強いのため、発酵食品を製造する蔵、特に酒蔵に酒蔵に伺う際は納豆禁止です。

 

 

 

 

 

日本酒はいくつかの製造方法がありますが、
その中の「菩提酛仕込み(ぼだいもとじこみ)」を復活させたのが、この御前酒蔵元辻本店です。

 

ご親族に骨董商をされていた方がおり、40年前に「日本山海名産図絵(にほんさんかいめいさんずえ)」
が見つかったことから、当時奈良のお寺で造られた造り方を再現しながら3年間試作した末、復活させてそう。

日本酒を造る際、もろみを上手く発酵させるためには多量の乳酸と酵母が必要になります。
これを「酒母(もと)」と言いますが、「菩提もと」はこの酒母を造る際に生米と炊いたごはんを入れ乳酸を沸かします。
この水を使うと、乳酸菌のつくった乳酸によって雑菌がなくなり、酵母菌にとって居心地が良い環境が整えられるのですが、
とても難しい方法であることから衰退しました。
そのため、こうして今でも菩提酛仕込みをされている酒蔵はとても貴重なのです。

 

今回はお目にかかれませんでしたが、お姉様の辻麻衣子(つじ まいこ)さんが杜氏をつとめられています。

 

 

 

床下には川が流れており暑い夏場も20℃前後、寒い時期だと-5℃、ベストは5℃前後と
自然の力が生み出す環境は創業当初から変わっていないそうです。

 

 

  

 

(写真左)日本酒を絞る際に使用する機械「ヤブタ」。
ヤブタは機械メーカーの名称だそうですが、呼び名もそのままなんだそう。笑
アコーディオンのようになっており、絞った残りかすの酒粕が板状になっているのは、このような製法だからなのです。

 

(写真右)日本酒を混ぜる時に使用する「櫂(かい)」
この作業のことを櫂入れと言いますが、タンクが大きいので櫂棒はとても長いです。

 

 

 

 

お部屋に戻ってきて、再度日本酒の製造方法について学びます。
予備知識を持ってから見学し、再度説明いただけると理解が深まるなと感じます。
(手書きの画がとても可愛い*)

 

 

  

  

 

 

試食にご用意いただいた日本種は7種。
老舗ワイングラスブランドのリーデルがつくられたグラスで日本酒をいただきます。

 

・Cry Baby(クライベイビー)無濾過生原酒中取り
酵母の活動する日本酒が発酵する音、川の音、裏山の虫たちの声・・・
音楽好きだった辻さんが名付けた、蔵の中で感じる音と静寂から名付けられた、
立体的な味わいの甘みと旨味を感じるお酒。

 

・Clean Reverb(クリーンリバーブ)無濾過原酒瓶火入れ
瓶燗火入を行い低温貯蔵されたお酒。
ラムネの様な爽やかな酸を感じます。

 

・9ナイン(ブルーボトル)/菩提酛仕込みの純米生酒
コンビニに置いてあってもおかしくない日本酒をテーマに、
1人か2人でもサラッと飲める500mlのビンにしたお酒。
濃醇な旨味を爽やかに楽しめる夏季限定のブルーボトル。

 

・9スパークリング
今回の参加者の皆さんのお土産商品購入でダントツ人気だったこちら。
ビン内二次発酵で天然のガスを生み出し、強めの酸がありながらフルーティーさが感じられ、
まさに今の時期にもぴったりなお酒。

 

・9ナイン(イエローボトル)
岡山県産の久米郡久米南町で育ったゆずの果汁と雄町米を100%使用した柚子風味の純米酒。
保存料、着色料等添加物不使用の、自然な味わいを楽しめるお酒。

 

・炭屋彌兵衛(すみややへい)
4年タンク、ビン詰めして1年置いて熟成させた古酒。
スモーキーさを感じるお酒。

 

・菩提酛にごり火入れ ※こちらは夕食時にいただきました。
野生酵母や天然の乳酸菌が生み出す独特な味わいは、飲む前のイメージよりも
すっきりととのった青リンゴを感じる白ワインのようでした。

 

 

 シリーズ展開されているGOZENSHU9NINE(ナイン)は、
「自分達と同世代の若者たちに、とことん愛される酒を造りたい」「自分達の証となるような酒を造りたい」
9人の蔵人で醸されている革新する清酒シリーズです。

 

店舗詳細

御前酒蔵元 辻本店

 

住所: 〒717-0013 岡山県真庭市勝山116番地
TEL: 0867-44-3155  FAX: 0867-44-5290
営業時間: AM9:00~PM6:00
定休日: 年末年始
HP:https://www.gozenshu.co.jp/

 

PAGE TOP ▲